157.父は寿司職人
今週のお題「寿司」
父は寿司職人
コロナ禍でいよいよ勇退状態だけど
父は15歳で修行に入って
今年70になる寿司職人。
東日本大震災発生時
父は故郷の福島にいて
原発から逃げたけど
ガソリンもないし常磐道は割れたし
帰ってこなかった。
やっと帰ってきた後は高齢な事もあって
完全予約制にしてのんびりと営業。
コロナ禍になってお客様も高齢だし
何かあっては大変なので休業とした。
子供の頃から父の寿司で育ったので
他のお寿司がどうも苦手。
夫はスーパーのお寿司も美味しそうに食べるので羨ましい。
お金持ちならいいけれど
お金もないのに舌だけ肥える。
時々祝い事の時に用意してくれる
お寿司はやっぱり美味しいけど
もうすぐ食べられなくなる。
職人の仕事は何から何まで全部ひとり。
不器用にやってきた事は何も残らない。
いつか撮影も編集もうんと上手になって
父の映像を遺したい。
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